一般社団法人 関東学生アメリカンフットボール連盟

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関東学生アメリカンフットボール連盟

KANTOH COLLEGE FOOTBALL ASSOCIATION

シーズンの展望 TOP8

2017年度シーズンの展望 TOP8
 4シーズン目を迎えたTOP8体制のリーグ戦だが、今季は過去最高の混戦が期待できそうだ。

 チーム史上初の三連覇を狙う早稲田大学ビッグベアーズは、高岡勝・新監督体制の初陣となる。今春当初から、「秋はユニフォームを着るメンバーを選抜する」方針を打ち出したチーム作りを敢行。春季のキーゲームとなった立命館大戦も、遠征メンバー60名を選抜して臨むなど、選手の競争心をあおる取り組みを実行してきた。
 攻撃は当初OLが課題とみられていたが、Xリーグで豊富な経験を持つ菅野英明コーチの指導の下、五十嵐真弥、金子竜也の高校フットボール未経験3年生コンビが成長し不安が解消されつつある。RBは177センチ89キロと大型の片岡遼也(3年)、昨U19日本代表主将の元山伊織(3年)の併用体制が整った。
 守備はLBの再構築が課題となっていた。昨年負傷に泣いた田口凌(4年)、昨甲子園ボウルで先発デビューした中村匠(3年)らの成長によって、少なくとも大きなマイナスではない状態だ。DL陣は187センチ113キロとサイズに長けたDT斉川尚之(3年)がキーパーソンになりそうだ。
 当初不安視されていたポイントを一つ一つクリアしてきた印象だが、鍵を握るのはやはりQBだろう。主将・坂梨陽木(4年)は、1年時から先発を務めてきたが、一昨年、昨年とシーズン途中で先発の座を先輩たちに奪われてきた。今季は4年間の集大成を発揮したいところだ。ライバルとなるのは春季途中から急成長を遂げているQB柴崎哲平(2年)。パッサーとしてのセンスは光るものを持っている。ブレナン翼(2年)、斎藤健(4年)らを筆頭に人材豊富なWR陣を生かすという意味においても、坂梨と柴崎の先発争いの成果が、早稲田大のリーグ三連覇の鍵となりそうだ。
 その早稲田大に秋季リーグ戦において3年連続勝利している慶應義塾大学ユニコーンズにとっては、真の強豪になれるか否かの正念場のシーズンになる。アドバンテージは先発3年目のQB小田裕太(4年)の経験だ。近年取り組んでいるアップテンポのノーハドル攻撃のコンセプトは身体に染み込んでおり、キープのランは一発TDを狙える爆発力を持っている。OLも負傷療養を終えたC榊原隆太(4年)が復帰。183センチ115キロと大型のDL犬飼和真(4年)をコンバートするなど、強化が図られている。昨年は絶対的エースに頼るところが大きかったRBは、突出した選手はいないものの高いレベルで拮抗したメンバーを揃えている。全員が力を発揮する陣容は整っている。
 守備は負傷で春の試合出場がほとんどなかった主将LB染谷優生(4年)が復帰。昨年は、優勝を懸けた法政大戦に負傷で出場できなかった悔しさを味わった。大事な大一番で貢献することができなかった自分への雪辱も込めて、チームを甲子園ボウルへと導きたい考えだ。

 春の戦いぶりから実力が見えないのが法政大学オレンジだ。有澤玄・新ヘッドコーチの下、春は試合を3試合に絞って、フィジカルとファンダメンタルの向上に注力した。春季の3試合はいずれも敗戦を喫したが、選手の体つきは一回り以上、大きくなっている印象だ。攻撃はWR高津佐隼矢(3年)を筆頭に、スピード派RB小林颯希(2年)、181センチ85キロと大型のRB岩田和樹(2年)ら、ポテンシャルの高いメンバーが揃っている。鍵になるのは新先発QBだろう。春季を率いた馬島臨太郎(4年)は、プレー理解に一日の長がある。187センチ88キロの恵まれたサイズと、強肩、俊足を持つ野辺歩夢(2年)の開花も期待される。QBは一般的に経験がものをいうポジションだが、底上げした潜在能力をいかにフィールドパフォーマンスにつなげられるかに注目だ。

 今春、法政大と真逆の大量10試合をこなした日本大学フェニックスは目に見えて成長の跡を見せている。昨シーズン屈辱の同率4位となって以降、オフなしで猛練習に取り組んで再建を目指してきた。猛練習にチームを去る者も出た状況の中、春季オープン戦当初はポジションのやりくりに苦労する状況も垣間見られた。しかし、春季終盤にはテンポのよい攻撃を展開できるまでに変貌を遂げていた。特に目を引いたのはQB徳島秀将(3年)の急成長だ。春季当初はU19日本代表の室井正道(2年)、フィジカルアスリートの新人QB林大希(1年)らの先発争いと見られていたが、春季中盤の桜美林大戦では4Qまで毎シリーズTDを挙げる小気味良いクォーターバッキングを見せ、先発争いに割り込んだ。フットボールに対する研究熱心さは内田監督も一目置く。
 開幕で対戦する中央大戦は、昨リーグ戦で敗戦を喫しているだけに、プライドとチームの浮沈を懸けた戦いになる。重要な一戦に誰が先発QBとして登場するのかに注目だ。

 中央大学ラクーンズは、躍進を狙う絶好のチャンスと言っていいだろう。攻守共に近年最高の戦力充実度といっても過言ではない。春季はエースDL佐藤将貴(4年)の起用を限定するなど、戦力の底上げに力を割いた。攻撃はWRが課題視されていたが、慶應大戦で逆転TDを奪った佐藤陸(3年)、高校バスケットボール出身の小坂恒介(2年)が急成長を遂げている。守備は佐藤、新川諒太(4年)、池田健人(3年)を擁するDLがリーグトップクラスの実力を有している。
 ブレイクスルーの鍵はツメの甘さの克服だ。昨年もリーグ開幕直前に体調不良者を出し、勝ち越しがかかったリーグ終盤の立教大戦前にもインフルエンザが流行して、万全の体制で臨むことができなかった。コンディショニングも含めて、隙をなくすことが躍進への絶対条件だ。
 初戦の日大戦は今季を左右する大一番になる。昨年勝利しているとはいえ、一昨年は14対75と大敗を喫している。一昨年の状況を想定して準備できたか否かが、勝敗の行方を左右しそうだ。

 その中央大に昨秋、今春と2連勝している立教大学ラッシャーズも、躍進の可能性を秘めている。反復基礎練習を繰り返す水野彌一シニアディレクターの指導方針も2年目となり『当たり勝つ』という意識が浸透してきている。ポイントになるのはQBの先発争いだ。若狭彰吾、中谷友哉の2年生コンビに、留学から帰ってきた岡本滉平(4年)の3人が先発候補になっている。
 昨年はシーズン中盤戦以降にチームが形になってきたが、今季は開幕の法政大戦から持っている力をすべて発揮できるかが、その後の勢いを左右しそうだ。

 昨年、チャレンジマッチ出場の屈辱を味わった明治大学グリフィンズは、復活への戦力を整えつつある。特に目を引くのはRBの充実だ。昨年は負傷で機能しなかった福田夕斗(3年)が完全復活。細身だがヒットが強い寒川拓(4年)、福田、寒川が負傷している間に経験を積んだ加藤貴央(3年)、昨年、救世主的存在となった小泉亜斗夢(2年)と、実戦経験のあるメンバーがずらりと並ぶ。さらに、高校野球出身の平野隼輝(2年)が急成長を遂げている。
 昨年はターンオーバーを多く喫して相手にチャンスを献上したことが敗因の一つになっていた。ターンオーバーを減らす意味においても、ランによる安定した前進が見込める陣容が整ったことは光明だ。
 9月2日に対戦する慶應大とは、3年連続の開幕での対戦となる。TOP8体制以降、初の上位進出への最大の関門と言っても過言ではない。

 3年連続でチャレンジマッチ出場となっている日本体育大学トライアンファントライオンは、大幅なフィジカルアップが話題になっている。
「昨年に比べて、無理をしなくなった」と、大山茂監督も認めるQB小林優之(3年)の成長も頼もしい。2年前から変わらないメンバーのOL陣、上級生で固められているDL陣と、攻守ラインはアドバンテージになりそうだ。

(HUDDLE MAGAZINE2017年9月号Vol.32掲載記事を再編集)

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