一般社団法人 関東学生アメリカンフットボール連盟

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関東学生アメリカンフットボール連盟

KANTOH COLLEGE FOOTBALL ASSOCIATION

TOP8戦評

2017年度リーグ戦
  • チャレンジマッチ  2017年12月16日(土)明治大学○17-10●桜美林大学

    フィジカルの特訓を施す

    みるからに俊敏な桜美林大のカットバックランナーRB20清水が快活なまでに走る。
    「今日はフルパフォーマンスではありませんでした、もっとやれたような気がして。普段から身体のコアを鍛えています。それでカットの切れ味が、どんどん増していきました」
    その軽快なドライブは明大DBを抜き去ることしばしばのロングゲインを生み出した。

    新進気鋭スリーネイルズクラウンズの鍛えられたラン攻撃を落ち着きあふれた明大LB8氏家主将が、胸を張って待ち受けた。
    「やりきること、どん欲さを持って最後まで動けました。4年生としての仕事はできたと思います。明大ならではの泥臭さと紫紺魂、それを追及できました」
    シーズン中は僅差の敗戦が重なり、さらにエースQBの故障退場などのアクシデントに耐えながら、しっかりとチームをまとめあげたチームリーダーであった。

    「前半は、選手が堅かったですね。それにフィールドで明大の圧力がありました。それほどまでに壁というものは感じませんでしたが、自分たちの実力は半分くらいしか出せずにいました。来季は新人が豊富に入ります、フィジカルをさらに鍛え上げて進みます」
    応援スタンドを埋めた硬式野球部とともに、スポーツ予算の潤沢さで邁進する桜美林大の関口監督兼ヘッドコーチは自信をもって語った。
    「ここ数週間、スカウティングをみっちりして試合に挑みました。あの明大のボールに対する執念など学ぶべきことがたくさんあり、この悔しさを忘れずに次のステージへ向かうことが大切だと思います」
    あごを上げ、はきはきと語るLB50矢島主将であった。
    「BIG8との違いはありました。もっとパスをとおせたかなとは思うのです、しかし、オーバーしてみたり。それらの悔しさと、頑張ろうという気持ちを後輩に託します。必ず、強くなってくれると信じています」
    長身強肩でボディバランスがよいエースQB7吉田がそう言う。

    上昇著しい桜美林大のフィジカルについては、かつてNFLヨーロッパのアムステルダム・アドミラルズでLBとして活躍した河口正史(JPEC白金)トレーナーに依頼して、地道に作り上げてきた選手たちだ。それが、しっかりと実を結んできている。
    あとはオフェンスでなにをやりたいのか、その長所がはっきりと見えてきたとき、それがTOP8への道である。

    「負けなくてよかったです。リーグ後半戦はみんな満身創痍でしたから。勝つことができてよかったです。来シーズンも明治らしさのバックスで強く押していきます」
    ようやくほっとした表情を見せた明大の岩崎監督だった。
    エースQB3中村はケガで欠場のまま、そこで1年生QB4西本がスターターに入る。そしてパスターゲットになったのが孤高のエースWR7森本の対角を成すWR11阪本。
    「いつもどおりのキャッチができて、気持ちいいです。今日は出来過ぎかもしれなくて(笑)。私達はラン主体のチームなので、こんなに取れるとは、なんです」
    と、謙遜するが、球際における鋭いキャッチ&ホールドは充分に見応えがあった。

    明大はそのもの横綱相撲でTOP8に残留となった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • チャレンジマッチ  2017年12月16日(土)日本体育大学○29-20●横浜国立大学

    そこには大きな壁があり

    チャレンジマッチは晴天のアミノバイタルフィールドで、静かに始まった。
    「なんとか勝てました。シーズン最後の試合でもあり、選手みんなが頑張りました。とくに1プレイずつ一生懸命にやろうと、すべてを出し切って終わろうと伝えてありました」
    闘将で名高い日体大の大山監督は着替えはじめながらゆったりと語る。
    「QB小林は、いいパスを投げました。それにキッカーの関根は記録を作りましたが、練習熱心で、みんなの手本になるような信頼ある選手でした。3年生はQBの小林を筆頭にたくさん残りますから、来季も日体らしく正々堂々とやりますよ!」
    いつになくにこやかに、それでいて徹底した信念を持つ日体大ライオンズであった。
    「自分たちの思いどおりの展開でした。パワーとスピードで横浜国立大に勝っていたのがわかりました。TOP8に残ることができて良かったです」
    そうして、ほっとした表情を見せたDL13松本主将だった。
    「FG新記録の45回は、みんなのおぜん立てがあってからこそ、皆のおかげなのです」
    いつもどおり正確に淡々とキックする。それを4年間ひたむきに貫き通した秀逸なK12関根である。

    ゲームは前半13-10とFG1本差の日体大のリードで折り返した。
    そして後半になるとターンオーバーから43ヤード一発ロングパス、中央のラン、と続けざまに2TDを獲得した青のライオンズ。

    「力不足でした。まさに自分たちでチャンスをつぶしての自滅です」
    大柄なOL71李主将は唇をかみしめた。
    「こういう悔しい思いをしないと人間は強くなりません。私たちは去年よりも着実に成長してきました。それで再びこのレベルまできて……この9点差ですが、超えられるのです。思うにほんとうにいいチームでした。また、ここまで来よう、もっと強くなろう!」
    終わりのハドルで田島ヘッドコーチは力強く結んだ。
    そこに大きな壁がある、試合中それを相当に感じていた横浜国立大。

    ただ、ひとり個性的なQB12福岡が柔和な表情を見せながら言う。
    「ほんとうに楽しかったです。この4年間のフットボール生活、充分にやりきった感覚で、
    いっぱいです。学生の時にものすごく成長できて、それが自分のいちばんの財産になります」
    ありがとうございました、と、ていねいに言い残してロッカールームへと消えていった。

    後半、日体大は圧力をかけ続けてセイフティをも奪って29-20と勝負あり。
    TOP8とBIG8との間には、スピード、フィジカルなど様々な違いがあった。果たして、
    それを乗り超えたチームこそが関東1部TOP8リーグに存在することができる。

    日体大は勇猛果敢なまま残留を決めた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • トーキョーボウル  2017年12月10日(日)法政大学○24-23●京都大学

    劇的勝利の法大

    快晴、風強く、バックスタンドの京大はグリーン色に染まり、あでやかな雰囲気に包まれた往年の川崎球場。
    フィールドではオレンジカラーも鮮やかに法大ヘルメットとブルージャージが躍動していた。

    まさに圧巻といえた結末。
    これは4年目を迎えたTOKYO BOWLの真骨頂だった。

    最終の第4Qまで、もつれにもつれたこの試合。
    法大がオプションランで左を駆け上がると、オーソドックスな左フェイクからQB12勝本が縦方向へ鋭いオプションキープランで進撃、そこで得た残り27ヤードを安定したK6木村が確実にFGを決めて24-23と逆転した。

    このまま終わる西の強者京大ではなかった。
    敏腕QB19田中がサイドパスを投じてベンチライン際のアップランと、プレイアクションパスからストレートにパスをヒット、さらに右オープンランなどで前進、中央部にボールを戻しての相手陣23ヤード。タイム掲示は残り20秒と少し。

    無論ここまで3本のFGを決めていたK23海士による逆転勝利のFGにかけた。

    そのキックモーションに入ってから、猛然と突っ込んできたLB寺林が、果敢なまでにFGブロックを決めた。
    「狙いどおりでした。左右両サイドが道を開けてくれて、もう彼らに感謝しています。そういうみんなの力で成し遂げたブロックでした」
    会場がボールを弾いた鈍い音に共鳴し、そのどよめきに手応えを得た法大LB44寺林は、低く雄たけびを上げた。

    「関西ではパーフェクトなキッカーですから海士は。もちろんそれにかけていました。この1点差の敗けは残念でした。とはいえタックルが良く、いろいろと来季へ向けて積み上げができた試合でした」
    京大の西村監督は雄弁に語り、ひとつうなずいた。
    最後は有終の美として法大ベンチがタイムアウトを取ってエースQB1馬島が登場、スナップされたボールをややジャックルしたが、ニーダウンして試合終了となった。
    「勝つことができて、ものすごくうれしいです」
    LB57小山主将は、フィールド上で涙でたたずむQB馬島のまわりに選手たちが集まり、声をかけられているのを見つめながら、心の高鳴りを実感していた。

    「前半は良くて、後半、法大の勢いに押されてずるずると受けてしまったような印象です」
    MIPを獲得した京大QB19田中は冷静に語った。
    試合開始直後から法大はQB18野辺のキープランとエースWR11高津佐へのミドルパス、RB24川村などの快活なランで、どんどんと進む。
    そして京大は主軸のQB田中によるWR18土田とWR81小松原への2本のTDパスに、巨漢RB29入山らによる怒涛のランをベースにゲインを重ねていった。
    「勝てる試合だったと思います。時間の使い方、アジャストだったり、なんともいえません。後輩には、この悔しさを忘れるなと言いたいです」
    しっかりと前を見据えた京大DL96植村主将だった。

    TOP8リーグの後半戦にはその切れ味良いランで、しばしばTDを奪っていた法大RB21桑原が、ここにきて一気呵成の大活躍をみせた。
    「伏線のプレイは右へ撒いていたのです。それで左が空いて、走りました。追いつかれるかなと思いましたが、最後まで行けて。春の悔しさを晴らしたかった思いもあってうれしすぎます、このいただいたMVPもです」
    今季は後半に強い法大、その名のごとく3Qにゲームの流れを一気に引き寄せたRB桑原のキックオフリターンTD。持てる力をすべて出し切ってMVP獲得だ。

    「京大は強かったです、タックルやブロックともに。今日は、これまで地道に練習してきた成果です、モメンタムをもってきてスペシャルプレイでの勝ちというのは。フットボールに対する理解、それも数字ではないというのが選手たちに伝わった感じがしています。みんな頑張ってくれました」
    法大の有澤ヘッドコーチはチームメンバー全員の健闘をほめたたえ、明るい笑顔になった。

    関東勢は4度目にして初の勝利を得た。
    これは『TOKYO BOWL』の将来へ、より良い道筋がみえた好ゲームであった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 東日本代表校決定戦  2017年12月3日(日)日本大学○77-17●東北大学

    バランスアタックで突き進む日大

    すでに関東1部TOP8リーグの優勝を決めていた日大は、東日本代表校決定戦において主力選手の温存がみられた。それでも11TDをあげて77-17の大差で東北大に完全勝利、全日本大学選手権決勝・甲子園ボウルへの出場を決めた。

    日大は今季開幕から外国人選手の躍動が目立っていた。
    守備の要となっていたのは4年目を迎えたDB3ブロンソン。その広い視野で、持ち味のスピードをもって相手パスをインターセプトあるいはカットなどと八面六臂の大活躍、ついにはリターナーまでをどん欲にこなしていた。
    「今シーズンは1月まで試合があると確実に想定して、準備しています」
    と、にこやかな表情をみせて、堪能な日本語で語る。
    さらに守備2列目に構えるLB1ワイズマンが鋭いタックルで躍動。またオフェンスでは、カットバックランがさえるRB5ウイリアムが快走してTDを量産していた。

    新人でリーグ初戦から出場、すぐに日大エース番号10を託された1年生QB林は鍛え上げられた身体からミドルパスを積極的に投げ込み、ときにキープランでTDを獲得していた。
    「関学は小さな頃から強いチームだという印象があります。甲子園ボウルでは自分たちのフットボールをするだけです」
    日大の重厚で速さのあるOLに守られたQB林のパッシングアタックは見応え充分だ。

    試合は赤い怒涛のラッシュに東北大守備が圧倒され、そこに返す手立てもなく翻弄されていった。
    「もう少しやれると思ったのだが、これほどの点差をつけられるとは。これまでやってきたことは間違いではないのだが」
    ややシニカルな表情をみせて語る東北大遠藤監督。
    3QにはQB1長谷部が左オープンキープから64ヤードのロングゲインTDをあげた。
    「左すみへ走りこんでのTDでしたが…。自分のパスインターセプトから始まり大量得点になってしまい、これではもうどうしようもなくて」
    孤軍奮闘、最後まで司令塔の役目をまっとうしたエースQB長谷部は、茫然とした顔つきのまま、かみしめるように言った。
    その彼が走り込んだ1本のロングゲインTDは、仙台から東北新幹線で大挙やってきた緑色に染まる応援スタンドに花を添えた。

    日大の練習休みは正月のみ、ひたすらにスクリメージの反復練習を行なっていた。
    「もはや1万5千プレイはこなしていると思います」
    チームをまとめるOL57山崎主将がリーグ戦序盤の段階で、胸を張りながら応えていた。その豊富な練習量に裏付けられた自信もあり、選手間の意思疎通は抜群な状態にあった。
    「うちはまだ若いチーム。選手に考えさせながらチームメイクして甲子園へと望みます」
    内田監督は東北大を圧倒した試合後、さらに気持ちを引き締めた。

    かつて一世を風靡したショットガン攻撃から連続パッシングがほぼみられなくなった日大。いまはランを交えたバランスアタックが主体となる。それはショットガンからWR25桑原やWR22山本への鋭いパス、QB林のキープランとRB5ウイリアムスやRB中野などの突破力に期待を持つものだった。
    その得点能力をベースに、ブロンソンが指示する大胆なディフェンスが爆発すると、甲子園ボウルでの勝機はありそうだ。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第7節  2017年11月26日(日)早稲田大学○24-21●慶應義塾大学

    醍醐味あふれる早慶戦

    夕闇迫る横浜スタジアムの第3試合、今季TOP8リーグ最終戦は白熱の好ゲームとなった。
    それも伝統の早慶戦ならではの見せ場が豊富にありだった。

    シーズン中に小差の敗退を経験して、入れ替え戦を視野に入れなければならなかった慶大だが、タフな全員守備は健在。その集散の速さとハードタックルで観客を魅了した。それは、しっかりとした練習量に裏づけられたものであった。

    対する早大は、前節から開花した好レシーバーWR21ブレナンにパスをヒットさせて2本のTDでリード。この試合ではシーズンの集大成、走るQB1坂梨主将と冷静に投げる左腕QB4柴崎の両輪の活躍をみせながら、要所をブレナンがしめていった。
    「しっかりと走ることができました。やり遂げた感があります」
    エースQB坂梨は主将の重荷を背負いながらの快走だった。
    「4年生の意地と、1年生のインターセプトなど各所に良い面が出て、それらが上手にかみ合い、集中した試合ができたように思う」
    ようやく思い描くゲームができたと、ほっとした表情をみせた高岡監督。

    注目の早大バックス陣は、RB30片岡とRB7元山の中央突破を軸にゲインを重ねた。
    「まだまだではないかな、走りが甘い。つねに相手のタックルを弾き飛ばすイメージでいかないと。試合を想定した練習と走りでどこまでも進まなければ」
    RBの成長を見据えてクールに語る中村多聞RBコーチだった。
    それも試合後のフィールド集合写真をベンチサイドから見つめ、もっと頑張ってほしいという願いを込めながら。

    積極的なディフェンスと小気味良いノーハドルオフェンスで前進する慶大は、前半エースQB2小田を先発、その後は1年生QB98三輪にフィールドを託した。
    「もう少しプレイしたかったですね。でも、楽しかったです。フットボールを愛してやまないデビット・スタントコーチが私たちを変えてくれました。わたしもフットボールが大好きになりました」
    柔和なフェイスのまま、眼にはいくらか悔しさが漂うQB小田だったが、フィールド横に置いたヘルメットを大事そうにかかえ上げ、さっそうと、爽やかに引き上げていった。
    「全部の試合が競り合うもの、大勝はありません。そのなかで着実にフィニッシュしていく重要性をみんなが感じたシーズンでした」
    前年のスーパーランナーの卒業をみて、苦心しながらのチームメイクに始まり、じっくりと作り上げながら、いや、もう少しやれるのではないかというような、もどかしさをも感じていた久保田監督。

    早慶戦ならではの学生らしい応援にフィールドと選手は活気づいた。
    しっかりと伸びやかなチアリーディングで魅せた早慶両チームだった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第7節  2017年11月26日(日)法政大学○26-23●日本大学

    のこり1分の攻防

    逆転で4点差と日大がリードして4Q残り1分と少しでタイムアウトをとった法大ベンチ。
    「さあ、しっかりいこう!」
    思わずそのベンチ前ハドルの中に加わり、そう、伝えた安田監督だった。

    入念なプレイ出しはパスだった。
    左隅に、ダイレクトインからのプッシュによってDBを突き放して90度アウト、そのままエースWR11高津佐が対角に走り込む。長身のスターターQB18野辺が落ち着いて胸元にパスをヒットさせてTD。
    逆に法大リードで3点差となる。あとは逃げ切るだけだ。
    ラストシリーズの日大は、QB19沼田がその強肩で4本を投げ切り、成功に至らず。
    この場面ではランを交えてK4篠原によるFGへ、しかし、日大はひたむきなパッシング攻撃にかけていった。

    「わたしがちょっと甘かったのだと思う。試合への取り組みや、メンバーのことやもろもろ。守りに入ったかもしれない。もっと頑張らなければ、このようなものでしょう」
    普段、無口な内田監督は、選手をかばいながら、ていねいに自身の心を語ってくれた。
    それというのもこの日、バックネット裏最上段のスカウティングエリアには関西チーム勢が、こぞってビデオ撮影にきていたのだ。
    スターティングメンバー表に記されていた外国人選手の出場は、RB5ウイリアムスを除いて、ほぼ出場機会がなく。それは基本戦略のひとつでもあった。
    「急に出場したという緊張の感覚もあり、最初はテンポが良くなくて。それでも練習通りにやろうと心がけ、得点につなげられることができました。また、自分のランの持ち味を出せたようにも思います」
    試合後半を任せられたQB19沼田は、前を向いて淡々と語った。

    「どん欲に走っていくことができました。その意味で、楽しめた感じです」
    法大の先制TDをあげたRB21桑原は、日大から得た得点に胸を張った。
    この勝利で順列3位となった法大は東京ボウルへの出場が決定した。対戦相手は関西3位の京都大。12月10日(日)13時30分から富士通スタジアム川崎にて開催される。
    また前節にすでに優勝を決めている日大は、東日本代表校決定戦で12月3日(日)13時30分から東北大とアミノバイタルフィールドで対戦する。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第7節  2017年11月26日(日)中央大学○26-10●立教大学

    一気に3位を目指した中大

    快晴の横浜スタジアムは、太陽がまぶしく輝いていた。
    立ち上がりはスローながら徐々にエンジン始動の中大だった。
    関東1部TOP8リーグにおいて有力な強肩QB13松岡は果敢にパスを投げるが、いくらか肩を痛めているためなのか、いつもの鋭さがない。WR陣に投ずるカットインのタイミングパスも不発のまま、やや無理をしている様子が見受けられた。

    後半には左QBキープから、スライディングをせずにディフェンダーの密集へと突っ込み、そのまま倒れこんだ。そこで、また上体を強打してしまう。
    しばらくしてトレーナーにつきそわれ、うなだれてベンチに戻っていった。だがそれは中大QB松岡の存在を大いに示したショートヤーデージの突進でもあった。
    孤高のエースとはそういうものだ。
    最後までフィールドに立ち続け、ひたすらに投げ込む。それをまっとうしてこそ一人前のQBだ。松岡はそれをしっかりと体現していた。

    今シーズン、ヘッドコーチ1年目ながら、その自由奔放さと若さと明るさで、チームに活力を与えた蓬田HCは、いつものにこやかさを持って言う。
    「試合後半、おろそかな流れになってしまったようで、それが悔やまれます。TOP8の3位、狙いますよ。東京ボウルに出てみたいです」
    背後には意気揚々とベンチへ帰る中大の選手たちのうれしそうな背中が、たくさんあった。
    「この2週間はそうとうに練習しました。その成果が今日の勝利であると思います」
    丸刈りで姿勢を正して語るDL23佐藤主将だった。
    それは、勢いとともに選手を第一に考えた、好ましさにあふれる中大との印象に包まれた。

    全体的にタックルは良いが、どことなく試合を通して受け身の印象にあった立大。
    「もう一歩が遠いのですよ。どれだけ自分を犠牲にしていけるか。シーズン中、これを選手たちはよくわかったのではないでしょうか」
    この悔しさを忘れてはならないと言葉を選びながら、ていねいに言う中村監督。
    「自分たちのミスにつけ入れられた、そういう負けだったと思います」
    DL90福島主将は重さのある口ぶりとなった。

    中大は立大に快勝して、栄えある東京ボウルの出場を待つことになった。
    これは次の法大-日大の結果待ち、それも精一杯やった上での、勝負の綾である。
    応援席の声に明るく応える中大メンバーたち、どの顔もにこやかそのものだった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第7節  2017年11月25日(土)明治大学○10-7●日本体育大学

    僅差の好試合

    ロースコアとなる予想はそのままに前半は7-7の同点。
    明大はRB34二見がダイブしてのTDそして日体大はQB11小林からWR24佐田へのTDパスで追いついた。ゲームは1勝を念ずる両チームの執念に満ちていた。

    1勝6敗でBIG8とのチャレンジマッチが決まっている日体大とはいえ、その意地と粘りがあり、しかもK12関根によるFG新記録25回は圧巻の極みでもあった。

    勝負は、最終4Qに明大K37佐藤によるFGの3点で決した。
    「ここにきて、いいチームになってきました。もうひとつ上にいくためには、本当に基本の徹底とその繰り返しなのです」
    そこでも潔さが光った大山監督。はにかみながら、ほんの少し微笑をみせて語った。

    「次につながるゲームができたように思います。選手は満身創痍ながらよくやってくれました。今日は学生の精いっぱいの頑張りが生んだ勝利です」
    3年生以下の部員数が多く、来季は飛躍の年にしたいと付け加えた明大岩崎監督。
    伝統あふれるオプションからの豊富なRBランに見応えがあるオフェンス。そこにはより鍛え上げられたOLブロックの奮闘があった。

    リーグ最終戦には毎年、チアリーディングの強豪、日体大ボルテックスが大挙フルメンバーでハーフタームショーに登場していた。
    観衆はそれをわかっていて、すぐには席を立たないで観ている。
    その素晴らしい演舞のチアリーディング、これぞTOP8リーグの華。しかも男子チアリーダーまでが空中転回でフィールド上を飾った。
    「かれらはレベルが高くて、日頃の練習や活動が忙しいながらも、必ず私たちの試合に駆けつけてくれるのです。そこで声をあげ心から応援してくれました。それが、どれほど私達の
    励みになったことでしょう。ほんとうに感謝しています」
    ハドルの中にありフィールドを凝視することはないとはいえ、日体大ボルテックスの妙技を観ておきる大きな拍手を背中で感じ取っていたDL13松本主将。そういう仲間の美技と躍動に、ありがたい気持ちで心はいっぱいになっていた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第6節  2017年11月12日(日)慶應義塾大学●3-24○日本大学

    見事リーグを制した日大

    猛練習のたまものは、こういうところにでる。
    ひたすらにエースへの道を歩む強肩QB10林からWR22山本へダイレクトインのミドルパスで先制のTDをあげた日大は、終始、盤石の構えだった。
    追いすがる慶大ディフェンダーを抜き去り、それも絶妙なまでの鋭いタイミングパスが、ヒットしていく。
    これは日頃から、何度も繰り返しの練習による精度の高まりと、それに伴う自信が実った形なのか。
    その鉄壁なパッシング攻撃の日大。オフェンスではそこにRBウイリアムスによるタフなランアタックで前進、さらに重厚で速いOLに守られたQB林のキープランが炸裂、着実にTDを重ねていった。
    「QB林の成長とともにWRが伸びていったのが大きいと思う」
    と内田監督は実直に分析した。そして練習環境を整えるスタッフの力であると、岩崎や小笠原、女子マネージャーの名をあげてほめたたえた。その豊富な練習量に裏づけられたチームはみるからにまとまりにあふれた。
    「優勝を目の前にして緊張しましたが、普段の練習どおりにやればいいと心の中で思っていました」
    あくまで淡々と語る1年生QB林だった。
    「このところ慶大には負けが続いていましたので、勝ちたいという気持ちがものすごくありました」
    そういう力を結集した気持ちの勝利であるというDL57山崎主将。
    ホワイトジャージを羽織る日大ではあったが、それはスタンド最上段にある記者席から見ても、ハドルのまとまりと意識の高まりは一目瞭然だった。

    慶大はスターターにこれも新人のQB98三輪を据えて、高校時代からのQB経験の豊富さにかけていた。
    もちろん厚みあるディフェンスの集散とハードタックルは健在。小数点差のまましのいでバランスアタックでTDを狙うパターンとなったが、K9廣田による52ヤードのFG1本に抑えられてしまった。
    「OLの先輩方に守られてどんどん投げ込んだのですが…、この経験を先に生かしていきたいです」
    重責があったQB三輪は正面を見て、ていねいに語った。
    「三輪の頑張りにかけてみたが、これは大学の洗礼を受けた格好だろうか。あと1本のTDがあればいけるという気運となったようにも思うのだが」
    久保田監督は、そう言い残してハドルが控える横浜スタジアムのブルペンへと走った。

    「私にはプライド、誇りがあります。それは、必ず1月まで試合があることを考え、気を引き締めていることです。内田監督が私たちを強くしてくれました、それを踏まえて思い切り頑張ります」
    試合後は、わりと柔和な笑みをみせて語ることがある守備の要DB3ブロンソンだったが、優勝を決めた大一番は違った。その眼が輝きにあふれていた。
    選手全員が次さらに次のビッグゲームのことを意識して、もっと頑張ろう、より練習に熱を入れようという強いメンタルに包まれていたのだ。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第6節  2017年11月12日(日)早稲田大学○21-13●法政大学

    わずか1点の重み

    エースQBの故障が気がかりであった法大は、得点能力で一抹の厳しさがあったが、これを2年生QB野辺が払拭、その長身から視野を広く落ち着いてパスを投じていった。
    「自分の持ち味はランでもあるので、ルートを定めて、そのまま走りこみます」
    ときにキープランに出るQB18野辺は怒涛の突進力をもってTDを獲得。
    それも法大OLとDLは目を見張るサイズアップがあり、巨漢でありながらヒットし、先へと走る。そのブロックを利してのQBランは圧巻といえた。
    この猛攻を受けるとすると、いやはや守備のプレッシャーはどれだけのものだろう。
    「QBの回復が間に合わなかった。負けてしまいましたね、学生たちがかわいそうだ」
    言葉少なげに、ベンチ裏へと帰る安田監督だった。

    前節の日大に敗れた悔しさもあり、主将のQB1坂梨と2年生左腕QB4柴崎との併用で、ともに、そのファーストターゲットは高さに強いWR21ブレナン翼。その実力、いよいよ本領発揮。
    とくにリーグの闘い方に慣れてきた柴崎は、ルートの先を読み、ブレナンには高めにパスを投げ続けていた。それはまたインターセプトしにくい巧妙な高さでもあった。
    「絶対に勝ちたいという気持ちがありました。チャンスに集中して、ダブルカバーのDBがはたきにきても、キャッチして暴れて振りほどいて。そういった競り合うことができるハイボールが大好きです」
    この試合にあげた3本のTDはすべてこのブレナンがキャッチしたものだった。
    「TFPをはずさせた、あの1点で心の余裕がありました。そのブロックの練習はとことんやっていましたから。またブレナンは球際に強く、先制のTDを上げたことも大きいです。それに2本のインターセプトがあり、守備のボールへの執着心もありました」
    好調なWRブレナンにボールを集めた用意周到な戦略と、個性ある法大WR11高津佐を徹底してマーク、そこでボールに飛びついてインターセプトしたDB21小野寺の気迫といい、ついに早大らしさがみられた好ゲームだった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第6節  2017年11月12日(日)中央大学○10(TB7)-10(TB0)●明治大学

    タイブレイクを制した中大

    最後に中大エースRB29野田がTD決めた。
    「あのタイブレイクは、縦方向を意識した走りでした。ふくらまず、いくとみせてタテに走り抜けていく感覚で、力強いフィニッシュをなのです」
    それはカットランに秀逸なテクニックを有する4年生RB野田の有終のランTDだった。

    明大の前半のリードに追いついて、そのままタイブレイクに突入。そこで、先攻中大のTDラン。あとはディフェンスに任せたという心意気で、しっかりと守り抜いての勝利。
    「粘りでしたね。我慢して、気持ちを切らすことなくでした。もっと実力はあると思うのです。準備もしっかりとできて、相手のウィークポイントをつくことができました。もうひとつ勝って3位を狙います」
    いつもにこやかに、意気軒高な中大の蓬田ヘッドコーチだった。

    走力のあるRB9福田、RB22加藤、RB32小泉と優秀なバックスを揃えた明大は前半から押し気味に試合を進めていた。
    リードオプションがマークされていても、そこからゲインを伸ばそうとするRBの面々。そしてまとまりあるOL陣が『俺のブロックの後ろを走れ』と道をこじ開けていく。それが、明大の実直なフットボールだった。
    「いいところがありました。全員が本当によくやったと思います。選手は満身創痍、それが影響したような気持ちもあるが、それ以上によくやってくれました」
    落ち着いた口調の岩崎監督は選手たちにねぎらいの言葉をかけた。
    「ディフェンスリーダーをしていますが、たとえQBサックをしても、自分のミスがあってふがいなく思います。ただ、若い選手がたくさんいるので、この先が楽しみです」
    つねに積極果敢にQBにアタックをかけ続けたLB6茂木だった。
    両チームが、がっぷり四つに組んだ好試合、これがTOP8リーグの実力である。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第6節  2017年11月11日(日)立教大学○38-10●日本体育大学

    強風をものともせずに

    寒さのアミノバイタル、風が巻くスタンドでは、しばれるという言葉で、それがなおさら身に染みる。
    今シーズン上昇気運にあった立大が、圧倒の攻めを見せた。
    経験豊かな2年生QB3若狭から、同じく長年ペアを組む2年生RB2荒竹がハンドオフを受けて躍動、さらにWR88水久保などへのパスを交えてコンスタントにTDを重ねた。
    「絶対に勝とうとしました。それが走りにでました。OLの背中をみてカットを切って走っていくだけですが」
    ボールを受けてからの重心の高低差を使ったカットランはディフェンダーのタイミングを上手にずらしていき、そこで切れ込んでいく快走で魅せたRB荒竹だった。
    「ようやくですね、いろいろとしっかり準備ができて、6試合目にして、表現したいことができてきたような印象です」
    そういって目を細めた感の中村監督。
    古豪立大の復活への道、順調な一歩であった。

    先発QBに1年生QB4中村を起用、そのフレッシュさで混戦に持ち込みたかった日体大だが、いかんせん主力に故障が出てきており、厳しい試合展開となった。
    「緊張していました。もっとやれるようになりたいです」
    言葉少なげだったが、後半には良いパスが決まりだす。その実績を糧に、さらに練習に励みたいというQB中村だった。
    「小林も悪くはないが、きょうは中村でいった。あとひとつ、頑張ります」
    潔く、歯切れよく、日体大の闘将大山監督は言う。

    シーズン後半戦ともなれば、各チームともに、予期せぬ主力選手のケガなどに見舞われる。そこからのチームメイクとゲームメイクとなっていく。
    タフなまでにリーグを闘うチーム力の養成と選手強化そして育成。やらなければならないことがたくさんある学生アメフトだ。
    それにしても寒風吹きつける中で、明るい笑顔でリズムに乗る日体大チアリーダーは、強豪の名のごとく、その頑張りは素晴らしくゲームをしっかりと引き締めていた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第5節  2017年10月29日(日)中央大学○6-0●日本体育大学

    降雨のがんばり

    台風が近づいてきていた関東地方は、さすがに第3試合となるといよいよ土砂降りになってきた。

    セオリーとしてパスはなくして、ラン偏重の試合運びか。
    ところが中大エースQB13松岡と俊敏な日体大QB11小林は、果敢なまでにパスを投げ込んだ。
    「雨の練習はしていますから、充分に投げることができます。あとは、フィールドの水や、滑りなどでWRに影響が出るかどうか。みんな取れるときはしっかりとキャッチしてくれます。それを信じて投げています」(日体大QB小林)
    願いを込めて投げたアウトパスは、ときにオーバースローとなったが、それはインターセプトされない間隔のものだった。このあたりQB小林の技術の高さでもある。

    「去年も0-3で負けて、いつもこういうロースコアゲームで中大とは。できれば学生たちに良い天候でやらせたかった気持ちはありますが、台風なので。残りふたつ、さらに全体的に底上げしていきます」(日体大・大山監督)
    FG2本だけの6-0の惜敗となったが、これから先をみて意気軒高な闘将大山監督だった。

    大雨で足元がおぼつかない状況から、一転、ディフェンダーを引き付けては、そこから駆け上がるデイライトランをみせていた中大エースRB29野田は、後輩を気づかった。
    「何人か若いOLが出ていたので、なるべくブロックしやすくなるカットランを心掛けていました。とくに左右へのオープンランです」
    サイドライン沿いの駆け上がりは、関東TOP8リーグの有力RBの片鱗だった。

    「雨のゲームであり、ベースのランプレイ、ランドライブを出していこうとしました。もっとこの学生たちと長く試合をやっていきたくて、1戦必勝で3位をとことん狙います」
    ヘッドコーチ就任初年度ながら、そのポジティブで前向きな意識が、選手らに浸透し好成績を上げていた中大。それも上位クラスへ、との意気込みが各所にみられた。

    上昇気運の中大と気迫あふれる日体大、目が離せない今シーズン後半だ。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第5節  2017年10月29日(日)早稲田大学●3-14日本大学○

    日大、全勝対決を制す

    ここで勝利して、関東の覇権により近づきたい。
    その気概が感じられた早大と日大であった。
    ただし降雨。ひたすら雨が続いていた。

    そこでランアタックに出た日大フェニックス。
    RB5ウイリアムスとRB33中野へ、ていねいにハンドオフしていった1年生QB10林。ときにWR22山本に鋭くタイミングパスをヒットさせ、それに加えてフェイクオプションの精度が高まってきてもいた。
    「たとえ強い雨でもしっかりと投げる練習をしてきました。試合でも普段どおりできれば、それでよいと思っています」(日大QB林)
    林の肩から右腕にかけて筋肉の盛り上がりが見られ、これはもの凄い筋トレの量である。それこそ雨しずくをはじく重みあるスピードパスだった。

    「こういう天候でしたが、練習のとおりでした。パスの準備もしっかりとでき守備も良くて、攻守ともにいいリズムと気持ちが全員に入っていました」(日大・森HC)
    いきいきと語る森ヘッドコーチ。さらに名将内田監督がチームを引き締める。
    「なんとも言えない試合だね。ただ、QBの林が伸びてきているのは、好ましく思う」
    試合後、ほんの少しだけ柔和な表情がみられた。

    「練習に裏づけられる自信はあったのですが、雨で滑ったり、パスをショートしてみたり。どのような条件においても投げきることが大切なのです」(早大QB4柴崎)
    主将でエースQB1坂梨が故障気味で、先発を任された2年生QBはまだ力不足と、向上心を胸に秘めた。
    「スペシャルプレイが決まらず、反則もあり劣勢になってしまいました。正面から正々堂々といったのですが」(早大・高岡監督)
    監督就任1年目の悲哀なのであろうか、言葉少なく会場をあとにした。

    いまや全勝街道まっしぐらの日大、目標はみえてきた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第5節  2017年10月29日(日)立教大学○17-10●明治大学

    意気高し立大健児

    ホーム側の立大スタンドは傘をさしながら、地の紫色にきれいに揺れていた。
    そこで先制パンチ。経験豊富な2年生QB3若狭からRB2荒武へのランニングアタックでTD、これでリズムをつかんだ。

    またTOP8において優秀なRBを3枚揃える明大はオフタックルから抜け出すRB9福田とRB32小泉がタフなゲインをみせていく。

    「そろそろパスTDを決めておかなければという危機感があって、大事な場面でキャッチしようと。今日は上手くDBの裏にまわれました。先の試合でも必ずTDパスを取ります」
    個性豊かな孤高の明大レシーバーWR7森平だった。
    「決めきれなかったのが悔やまれます。立ち上がりにすぐに取られてしまい、それがよくなかったですね」(明大・岩崎監督)
    わずか1TD差の敗退。悔しさに満ち、静かに応えてくれた。

    「まず、ひとつ勝つことができてうれしいです。あとふたつの試合もやりますよ。ボールに集まることなど、基本を大切さ説きながら強化を進めていきます」(立大・中村監督)
    苦節5試合、ついに結果がみえた。応援してくださる皆さんの気持ちにどんどん応えたくて、と付け加えた。
    また、柔軟性あるキャッチでTDをあげたWR80河本は、より積極性を打ち出した。
    「良い流れを相手に持っていかれずに勝ち切ることが大事なのです。雨は気になりません。あと2ゲーム、パスでビッグプレイをみせたいです」
    背筋を伸ばして実直に語ってくれた。

    じっくりと、一歩ずつ力があがってきている立大、そこからだ。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第5節  2017年10月28日(土)慶應義塾大学●13-17○法政大学

    逆転勝利、法大

    台風が近づいた土曜、慶大日吉グラウンドで関東1部TOP8リーグが行なわれた。
    有料試合としては初の大学会場での開催だった。
    ホームスタジアム側の慶大は、たくさんの観客が応援チアのリードにひとつになっていた。

    最初の攻撃をFGに抑えた慶大守備だったが、法大QB1馬島のオプションキープから中央部でOLのブロックに支えられロングゲイン。その流れでパントリターンのWR11高津佐がブロッカーに守られながら4~5人を抜いてのリターンTDを決めて10-0。
    対する慶大はK9廣田の2本のFGで6点を返し、勝負は第4Qへ。

    前半にQB馬島が負傷退場、そこから2年生QB18野辺が丁寧なパスと鍛えられた脚力でキープランに出ていった。
    慶大はボールが少し浮いたQB2小田と新人QB98三輪との併用で試合を進める。そのQB三輪から右に残っていたWR19加藤へ13ヤードのTDパスが決まり13-10と逆転。残り1分を切ってから、法大QB野辺が右奥へとロングパスそしてRBフェイクからの1ヤードQBキープランTDで、17-13の結果となった。

    「うまくやろうと考えすぎてしまいました、フェイクと走る自分の持ち味を出そうとして。最後はもう重圧でしたが集中力で乗り切りました。この勝利はとても自信になります」(法大QB野辺)
    その長身から状況判断していたQB野辺は、要所でランをみせてロングゲイン。幾度もQBサックを決めた慶大守備を広げて、逆転のTDにつなげた。
    「スクランブルでした、緊急発進のゲームで、やるべきことが最後の最後にできてこれまでのチームづくりが功を奏した格好です。学生達の力がいよいよ長けてきたように思います」(法大・安田監督)
    この先に控える早大と日大との2試合、法大は4勝1敗と優勝の可能性を残した。

    「粘りの違いなんでしょうか、法大はこういう競り合う展開に慣れていたようですね。ホームの味方はあったのですが、パントリターンTDなどでロングドライブされたのが、少々きつかった。しかし我々は、まだまだやりますよ!」(慶大・久保田監督)
    まとまりあるディフェンスで、勝利まであと一歩だった。
    「今日の試合はパス9割でいこうというプランでした」(慶大QB小田)
    雨天ながら、気持ちを込めてWRに投げ込んでいたQB2小田だった。
    その背中には、ホームグラウンドの大観衆による温かな眼差しが注がれていた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第4節  2017年10月15日(日)慶應義塾大学○17-16●立教大学

    遠くて近くもある1勝

    はげしく雨が降り注ぐ、秋の長雨、富士通スタジアム川崎だった。
    今日は、スタジアムの入り口に美味しそうな屋台が立ち並んでいた。しかし、この雨模様。それでもこの川崎に根ざした屋台、アメフトファンが言うにたしかに旨そうなのである。

    香ばしい屋台のかほりを通り抜けスタジアムへ上がる。
    そこでは、ひとしきり、どよめきと歓声があがっていた。
    逆転に次ぐ逆転、同点、リードして、引き離し、さらに大逆転のTDパスが決まり1点差。そして最後を守り切る。勝利した慶大と、わずか1点差で敗退の立大、ともにけっして勝負をあきらめずに力を尽くした。これは今季TOP8の名勝負のひとつと言えそうであった。

    「こちらが2本のFGをはずしては、良くないでしょう。しっかりと決める。そこが勝負のアヤなんだよ。それは、だからね、普段からの練習をしっかりとやりなさいということ。甘えているんではないかな、そういうのはわかるね。今日はそれがわかったゲーム。いいね、心してこれからのトレーニングにあたろう」
    勝利を得たものの、責任ある自チームのキッカーを名指しながら叱責はなく、柔軟に奮起を促しながら、全員の気持ちによき流れを呼び込むデビッド・スタント慶大オフェンスコーディネーター。

    「TDを取ったあとにロングゲインをみすみす許してしまう。なぜなんだ、そのあたり気を引き締めていきたい」
    最後までしっかりとやろうと、チーム全体を見まわした慶大・久保田監督。
    いくらか顔を赤らめながらも、落ち着きあった慶大のエースQB2小田。投げてはWR81柴田にパスをヒット、あるいは隙をみては果敢にQBキープランに出てゆき立大ディフェンスの分散を狙った。
    「つねにパスは自然体で取りたくて。WR13松岡などと一緒にチームを引っ張っていこうと頑張っています」
    試合が終わってなお、さわやかフェイスなWRリーダー最上級生の柴田である。

    「とおい1勝、その1勝が遠くて。勝ちたいという気持ちは全員にあるんですよ。やるべきことができていない。その確率を上げていけば、もっと楽にいけたはず。そうですね日常的に、おのおのが厳しくしてなんでしょうね」
    さすがに悔しいとはいえ、ほのかながら口元に微笑がみられた立大・中村監督。
    それは今シーズン、ようやくチームとしての力が満ちてきたという実感なのであろう。
    また注目されるのは立大DBユニットのまとまりのよさと厚みだ。
    「守備で勝つことが目標なんです。もっと詰めるところを詰めていきたい」
    とくに秀逸なパスカットをみせていた2年生DB22若林はそう語る。

    タイムパッセンジャー、時間をコントロールしていく妙、それが如実に表れた好試合だった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第4節  2017年10月15日(日)法政大学○31-7●明治大学

    降雨なのにWR活気づき

    そのオレンジカラーが緑の人工芝に映えることしきり。
    今日もパスが成功していた法大。
    それもドロップアウトから、さらにランパスさえも、またリードオプションからのピッチをリズム良く決めていくエースQB1馬島だった。
    それは高くそして低くもあり鋭く投げ分けるその弾道で、WR2南河、WR7別府そしてWR11高津佐へと次々にパスが吸い込まれていった。
    「チーム内で負けられないです、ほかのレシーバーたちには(笑)。WR南河などとお互いに刺激をかけあいながらです、それが良い方向へといっています。あとは、球際に強くありたいです。相手のDBにきつくマークされていてもキャッチして、そこから走っていく。それを平然とこなす、そうでなければいけません」
    対人に強くあるのは法大の鍛え上げられた10人近くものレシーバー陣だ、とくにパスキャッチしてからのボディアクションとそこからのアップラン技術は、躍動の美といえそうだ。
    しかもパントリターンまで華麗に走り抜ける個性派のエースレシーバー高津佐は、フィールドでその才覚をいかんなく発揮していた。

    「いいチームにしていきたいですね。たとえ誰かがミスをしても、まわりがそれをサポートしてあげることができればいい。とにかくもっと思い切りよくやろうと、いつもそう声をかけています」
    ベンチサイドでは最前列で右に左に移動しながら冷静に戦況を見つめ続けていた法大・安田監督だった。

    オプションランに秀でる明大は、いよいよそのリードオプションとフェイクオプションでQB3中村からRB32小泉とRB22加藤などへと抜群のタイミングで放たれていった。
    それが、しばしばロングゲインを生み出していた。
    「肝心かなめの部分、ここぞという場面で取り切れない。どうにもそれがもどかしくもあり。ただ、ディフェンスにはまとまりが出てきました。立ち上がりにポンポンとやられてしまうのはいただけないですが。やはり今後も基礎の徹底です」
    そこは伝統の紫紺魂ありき。ベンチサイドで大きく構える明大・岩崎監督である。
    また主将で俊敏なタックルが光るLB8氏家が言う。
    「試合の入り方にこだわりたいです。スロースタートと言われて、守備も攻撃も最初に点を取られていますから。そのあたりを含めてチームとして、さらに八幡山で練習を積み重ねていきたく思います」
    気迫と根性、明大のフットボールは、昔の激しさほどではないが、その伝統が脈々と息づいている。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第4節  2017年10月14日(土)日本大学○45-19●日本体育大学

    美しきキッキングゲーム

    日大ならば、あくまで日大らしくありたい。
    正月明けからの豊富な練習量が、そのベースをなす今シーズンの日大フェニックス。
    いまやオフェンスではランとパスのバランスアタックに比重が置かれ、それもかつての赤い攻勢を知るノスタルジックなアメフトファンにとって、あのショットガン攻撃は何処へ、とのもどかしさが感じられるかも知れない。

    いや、しかし、これがいまの日大なのである。

    新入生ながら背番号10を身にまとい、そのスローイングにも、ひとつ独特なシルエットが現れてきたQB10林は、快速RB5ウイリアムスにハンドオフ、さらにRB33中野はたまた後半になるとQBキープでTDを獲得していった。
    「それでもまだ、なんとなく取れている点なのかな。反則も多いし、調子はよくない」
    その口数がやや減り始めてきた日大・内田監督。
    それこそ、すでに次となる段階を見据えている状況なのであろう。

    「まだまだ気の抜けたシリーズがありますから、スペシャルプレイのあとなどはバタバタしていて。そのあたりが課題ですね」
    早口ながらに、一気に心のうちを表現してくれる森ヘッドコーチ。
    ただ、おおよその手応えと日大らしさというのは明白、さあ、きたぞとの印象にありそう。それは、ベンチ裏で大きく組むそのハドルのまとまりといい、これは、いよいよなのかという期待感さえ生まれてくる。

    「立ち上がりはうまくいきました、ですがミスが出てくるともう、いけない。そこでたたみかけたいところなのですが。それと関根は練習熱心で、皆からの信頼も厚いんですよ」
    つね日頃から選手たちに愛情を注いでやまない日体大・大山監督だった。

    本日の試合はまたキッキングに才覚を有するキッカー2人の饗宴でもあった。
    1年生のときから蹴り続ける日体大K12関根は、長駆50ヤードと52ヤードのFGを2本決めてリーグ新記録(24本)を達成した。しかも、そこにおごりはまったく見られず、あくまで淡々とであった。
    「キッカーとして4年目を迎えて、いつもどおり蹴るだけです。それと、スナッパーとホルダーが優秀ですから、安心してキックできます。とくに大きなことをしたという意識はなくて、自分の役割を果たし自分の仕事をするだけなのです」
    ライオンズにまたひとり勇者が誕生した。

    その左足から正確無比なまでのTFPキックとFGを生み出す日大K4篠原も、本音では緊張このうえないというが、その笑顔がいい。
    「試合中はどのような形でも決める、それだけです。もちろんあとの3試合もすべて決めることが大事です」
    そのルーティンとして、フィールドにおいても『力まずに』『足をふり抜く』などとあえて口に出して、そういう意識づけを欠かさない。そして日体大の関根君とは飛距離が違いますから全然と謙遜する。
    このふたりのキッカーはもはやTOP8の逸材、とみに観衆を魅了してくれるのだった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第4節  2017年10月14日(土)早稲田大学○10-7●中央大学

    気概と気力なすままに

    強豪、TOP8連覇の早大らしさとは、いったい何であろう。
    いくらか自問自答を繰り返しているような体がみられた大柄な早大・高岡監督であった。
    「最後まで集中を切らさずに行こう、我々はまだまだなんだと、自分に言い聞かせよう!」
    今季、勢いあるままに上昇してきた中大との一戦はロースコアゲームとなった。

    中大の強肩QB13松岡からエースRB29野田へのフレア気味なパッシングとそこからのランで逆転された早大が、最終4Qになり中央突破であげた値千金のTDで勝利。
    これは好試合だとの印象もあるが、早大ベンチにはどことなく燃え切れていない風も垣間みられた。
    「こういうゲームにしてしまった責任を感じています。下手くそだけど日本一になりたい、その想いは強くあります。言い訳はしたくありません」
    丸刈りの頭で、自分に言い聞かせるように語るQB1坂梨主将。

    「TDダイブ、残り1ヤードを決めたパワープレイは自信がありました。それも、初めて飛んでみました」
    あの中央ダイブでゴールエリアに身体をきつく打ちつけ、そのショックでしばらく呼吸が苦しくなってしまったRB30片岡だった。
    早大学院高時代は身体の大きさと強さだけで走っていたというが、大学ではそれが通用しない。だからいま、たのしく練習に打ち込めますと、はきはきと応える。
    『おもいきり走ったうえで、己の個性をだそう』
    と東伏見のグラウンドで中村RBコーチから指導を受け、それを実直に体現しようとしている。さらにはコーチには褒められたことがなくてと、少し寂しげな表情を見せた。
    「でも試合では、パワーでぶちかましていきたいです」
    この先は、高校同期の左腕QB4柴崎とのマッチングで、さらにフィールドを席巻してくることだろう。

    「これは中大の歴史なのでしょうか、どうにも勝ち切ることができない。最後の詰めひとつがやりきれない。しかし学生たちは頑張っています。ですので、これからも失敗を恐れずにやっていきます」
    新進気鋭、そのポジティブな雰囲気がチームに前進をもたらす中大・蓬田ヘッドコーチだ。
    そして、ロスタックルで気を吐いた中大主将DL23佐藤主将が、こころをしぼり上げた
    「この負けは、理解できません! 私たちディフェンスが良い流れを作って、オフェンスに渡してあげたかったのです」
    今季はみるからに厚みあるチーム力を保持する中大、その気力一番、後半戦にかけてゆく。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第3節  2017年10月1日(日)法政大学○66-31●日本体育大学

    乱打戦、後半に突き放した法大

    さわやかな快晴、秋の夕暮れにはほのかな冷え込みもある富士通スタジアム川崎。
    試合は点の取り合いになった。
    しかも2Qには法大RB28小林の100ヤードキックオフリターンTDに加えて、日体大RB35山本による99ヤードのキックオフリターンTDの応酬もあり、取ったり取られたりが繰り返されていった。
    その後半に試合が動き始めた。
    法大は分析力に富むスカウティングスタッフからの的確なプレイ選択で、日体大ディフェンスの弱点をていねいにつく。
    そして徐々に、引き離されてゆく。
    「オフェンスはQBの小林をはじめ良くなってきたと思う。それが、受け身のディフェンスになると、ややつらい。あとはサイズが違ったのは大きく、法大は鍛えているのがわかった。ならば私たちは、スピードそのものを上げていきます」
    サイドラインにどっかりと立ち、前半、健闘をみせていた日体大の闘将大山監督だった。
    「とにかく焦らず余裕をもってプレイしていこうと心がけて、できるだけ視野を広く持ち、中へのパスを通していければ、何とかなると考えていました」
    3年目を迎えた佼成学園高出身のQB11小林は、その手応えを口にした。

    終わってみれば、すべてのシリーズにおいて得点をあげた法大。TDは9本そこにFG1本と大量66点の猛攻で、川崎のオレンジ色に染まるスタンドを魅了していった。
    「イエローがたくさんあり、それはよろしくないと思いました。そのあたりの修正をはかりながら、いいリズムでオフェンスをリードしていきたいです」
    個性あるエースレシーバーのWR11高津佐に、軽やかにパスを決めていくQB1馬島は、ショートヤーデージのQBキープで2本のTDランをもみせていた。
    「選手にはのびのびとやらせています。ちょっとずつですがフットボールができていると思います。今季の我々はフィジカルとファンダメンタルのフットボールです。また選手に対しては、心を開いてあげること、これが肝心であると感じています」
    静かに理路整然と語る安田監督だった。
    前節では敗戦となった法大は、これで2勝1敗と盛り返し、残り試合の全勝で自力優勝の道がみえてきた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第3節  2017年10月1日(日)日本大学○45-7●明治大学

    その勢いにあふれて日大6TD

    往年の日大らしさといえば、正確無比なショットガンからのパッシング攻撃であった。ところが鋭いランが出ていく。であれば、シンプルながらにそれを連続させていけばよい。
    このゲーム、バランスアタックながら、基調となったのはRBラッシュであった。
    QB10林からRB30川上とRB5ウイリアムスにボールが着実にハンドオフされていく。
    「まだまだ評価には値しない。この先の試合、隙があったらすぐにやられてしまう。意識の高いRBが揃っているのは良いのだが」
    いつもながら気を引き締める内田監督であった。そして、背番号についてはとくに言及してはいないと付け加えた。
    往年のエースナンバー各ポジションにおける0番台は、ファンの心理をわしづかみにしていた。ゆえに日大フェニックス背番号10をつけた林が投げ、そしてQBランに向かうだけで胸は郷愁で満ち、さらに心の高鳴りが聞こえてくるのだ。大阪府にある大正高時代から、ひそかに名を馳せてきた1年生QB林は、ついにそれを体現してくれたのだ。
    「まだパスに課題があります。ひとつのプレイに責任を持つのが、その背番号10であると思っています。それを背負うことで、自分自身に自覚を求めたのです」
    昔年の艶やかなレッドを羽織り、アップテンポに躍動がみられたQB林であった。
    「そうですね、得点をゼロに抑えたかった」
    背筋を伸ばして語る守備のかなめDB3ブロンソンである。その持ち前のスピードあふれるハードタックルは相手に圧力をかけ続けた。
    ふと応援スタンドを見上げれば、日大の学生チアリーダーがフィールドとスタンド最前列で声を張り上げ、そこに白のスウェットシャツを着用した応援ブラスがいつものソングを演奏して、それこそチームを懸命にバックアップしていた。

    「守備のふたりの外国人ディフェンダーを意識しすぎました。もうすこし、普通にやっていればよかったと悔やまれます」
    先発QB15阿江は素直に反省の弁を述べた。
    勇猛果敢な3人のランニングバックを揃える明大は、ときにQB3中村からのスピード感あるリードオプションがさく裂、しばしばロングゲインをみせた。
    これで、鍛え上げられたOLを基軸にエースクラスといえる2人QBの使い分けで、後半戦に活路を見出せそうにある。
    「完敗です。オプションが出ていたとしても、これではなんともいただけなくて」
    思い切りよい大柄な岩崎監督が意気消沈の体で言う。しかし、どこまでも猛進する紫紺魂、ここにきて、かの明大らしさが出てきたのはこの先に向けて好材料となる。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第3節  2017年9月30日(土)早稲田大学○31-7●立教大学

    精度高めな早大パッシング

    もはや2枚看板になろうかという早大の右腕エースQB1坂梨に、後半を任せた実績ある早大学院高出身の左腕QB4柴崎が、それもミドルからロングまで、変化に飛んだパスをタイミング良いままにどんどんと投げ込んでいく。
    そこで、ひたむきに走りカットするWR2斎藤とTE87田島などに、流れるような秀逸な軌道をおびたパスが、すっと吸い込まれていった。
    「とにかくまっすぐに走れ、それからだ!と中村コーチに言われています。それと、自分にほしく思うのはDBとの駆け引きです」
    2年生RB39村田はひたむきなまでにフィールドを駆け抜けていった。
    近年とみに鍛え上げられてきた早大のバックス陣は、前年のエースランナーがふたり、その後を6人ものRBでカバー、しかもそれは着々と育成されている。
    「いま全員で20人もRBがいるんですよ(笑)。そのうち6人にチャンスを与えています。経験を積ませていく段階にあり、突っ込みもまだまだなんですね」
    と、後進の面倒見がすこぶる良く人情味ある中村多聞RBコーチが、その奥義をにこやかに注入していた。
    「もっと成長していこう、だからやるべきことをやっていこう。選手全員が、初心に戻って先へと進んでいこう」
    就任初年度の高岡監督はいまだ厳しい表情ながら、選手達にこのままではいけないと鼓舞していた。しかし、そこは連覇の早大である。ゲームメイクはいわば為すがままであった。

    ひととおり守勢に回っていた立大ではあったが、ひとつのTDをもぎ取ろうとオフェンスが踏ん張りをみせた。
    「ラインが、がんばってくれたおかげなのです。パスに余裕をもつことができました。今日の試合はそれを実感しました。WRとコンビネーションを合わせて、さらにパスの精度を上げていきたいです」
    2年目のQB3若狭は淡々と、たまに微笑みを浮かべながら言う。
    立教新座高の頃から試合経験が豊かなこのQB若狭の明朗快活さが、チームに希望をもたらしていた。
    「今日は最後の最後まで闘おうという目的がありました。必ずTDを取りにいくんだという意識で、それができました」
    ややもすれば、ふさぎ込み気味になりそうな中村監督ではあったが、まだまだ立大の真骨頂はこれからに他ならない。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第3節  2017年9月30日(土)慶應義塾大学○10-6●中央大学

    一躍、守備が奮起の慶大

    江東区夢の島競技場は、緑色の天然芝がじつにきれいに輝いていた。
    それも端から見るとグラウンドの中央部がほんの少し盛り上がりがあり、水はけの良さをうかがい知ることができた。
    さらには、その音懐かしくガタンゴトンという鉄道路線がスピーディーに3つほど交差した鉄橋が望めた。

    試合は膠着していた。
    ボールが進まないのである。ともに決め手を欠いての3本のFGで、前半は慶大3-6中大と好ゲームにみえてはいたが、お互いに手探りのままなのか時間は過ぎていった。
    「連敗してからというもの、選手たちのメンタルケアに時間を割いていました。チームのために個人がなにをしてゆくか、それをいま一度、選手に問うたのです」
    慶応レッドのポロシャツが鮮やかに映える久保田監督はしっかりと前を見据えていた。
    もはやしゃにむに攻めていくしかない、負けは許されない。
    「今日は3本、インターセプトされたのでなんというか、ふがいなくもあり。それでもインサイドのラインと守備のみんなに助けられました」
    俊敏な判断からキープランにうって出る好感QB2小田だった。その冷静なままの状況判断は、慶應義塾高時代からの経験豊富さがあるからこそ。
    この彼からは、アメフトをプレイする楽しさが感じられ、慶大の選手育成は成功しているようにみえた。
    後半4QにはQB小田のランからノーハドルオフェンスに展開、ミドルパスがSB19加藤にヒット、そこからRB1國府谷とRB3薮田へとともにラインに守られた左オープンランを続けて値千金のTDを得た。

    ゴール前へと幾度も押し込んでいくが、いまひとつ踏み込みきれなかった中大。
    QB13松岡から長身WR87小坂へ鋭いパスを通し、さらに副将でエースRB29野田のランにかけてはいたが、いかんせん慶大守備のマークがきつかった。
    「始めからチーム全体がヒートアップしていました。その想いを冷静にとなだめながらのクオーターバッキングでした。こうなれば次の早大戦に勝利、それしかありません」
    強肩QB松岡は言葉たしかに応えてくれた。

    「なんとなくですが夢の島グラウンドは苦手なのでしょうか。あと5ヤードが取れないもどかしさと詰めの甘さがありました」
    この先はそれらを修正、完璧なまで、100パーセントの力をもって突き抜けていきたいと語った蓬田ヘッドコーチだった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第2節  2017年9月17日(日)早稲田大学○23-7●明治大学

    明治はRB32小泉や22中村のランで刻み、今秋復帰の9福田が1y飛び込み、先制。
    前半は膠着し、2Q終盤間際、明大陣奥深くで早稲田得点のチャンスあるも活かせず7:0で前半終了。
    後半に入り、早稲田守備は明治のランアタックにアジャストし、ダウンの更新を許さず。
    攻撃では、RB7元山7が 4yランで同点にしてから以降、主将QB1坂梨、判断のよいランで2回連続TD。TD後の咆哮には、主将としての気概が溢れていた。
    坂梨はこの日10回のキャリーで133y獲得、RBを凌ぐ走力で前半の膠着を脱し、開幕2連勝を飾った。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報部長 前川誠
  • 第2節  2017年9月17日(日)慶應義塾大学●10-20○日本体育大学

    台風の影響を避ける為、3時間繰り上げての試合、パスが通らず波に乗れない慶應の好パントで日体は自陣4yからのこの試合最初の攻撃。「まさかの」エンドゾーン内から投じたWR84徳永へのパスが通り、慶應DB振りぬかれ50y辺りから独走96yTDを許す。163㎝と小柄なQB11小林の度胸に、会場暫しどよめきと溜息が交錯。その後、日体は、K12関根のFGやQB小林のランで17:0とリード。
    慶應は前半終了5秒前、K2廣田が31yのFGで3点を返してTD2本差とし、後半の逆転に望みをつなげる。
    3Qは動きなく、いよいよ勝負は4Qへ。先に日体K関根が 25yのFGを成功させるも、慶應はTE8富永らへの得意のパスが通りだし、QB2小田の22ランで10点差の1TD、1FG差とする。直後のキックオフはオンサイドではなく、リターンした日体のインサイドへの執拗なランで時間を消費され、反撃敵わず。
    日体は2003年以来の慶應戦勝利。此の日FG2回成功のK12関根は、4年間通算FG記録22回迄、後1回となった。
    慶応は、総獲得ヤードでは上回ったものの、要所での反則とインターセプト2、ファンブルロスト1で最後までペース掴めず。ボール所有時間でも日体のクロックマネジメントで11分少なく、雨にも祟られ2003年以来の開幕2連敗となった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報部長 前川誠
  • 第2節  2017年9月16日(土)法政大学●21(TB0)-21(TB6)○中央大学

    濃紺にオレンジのナンバーの法政が、この数シーズンで最強と目される中央と対戦。法政はRB28小林の6yランで先制。
    続けて4分後には、QB 1馬嶋からエースレシーバー11高津佐へ65ヤードのロングボム炸裂。
    小雨から中降りになってきた2Q、中央はスタンドの大声援を力にして13QB松岡からWR89金澤への矢の様な6yパスで先ずは一本、続けて松岡自身の13yの気迫のランで同点に追いつき、勝負は後半にもつれた。
    3Qはお互い膠着し、ドラマは最終Q終盤から。中央は松岡からWR渡辺への16yパスでリードを奪うも、試合残り時間4分は長かった。
    法政はキックオフリターンの好位置からファーストダウンを更新し、最後はQB馬嶋が1y飛び込んで同点に。
    ここまで、双方共に、ファーストダウン16、攻撃回数59と全くの互角であった。
    延長節第1ピリオドは、風上選び電光掲示盤側25yからの、中央の先攻。刻みつつG前へ迫り、残り2yを法政2高出身のルーキーRB3大津が、深めのコースを取って左オープン、パイロンの内側を走り抜きTD。TFPのキック外れ暗雲漂うも、その裏の法政の4ダウンギャンブル、WR11高津佐の足に賭けたリバースプレーは、コンテインマンLB6小泉の渾身のタックルでゴールに届かず、試合終了。
    中央は、公式戦創部以来の対法政戦勝利。法政は10y以上の反則多く、後半からのパス成功率もダウンして序盤の快調なペースを守れず、リーグ戦アミノ不敗伝説が消えた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報部長 前川誠
  • 第2節  2017年9月16日(土)日本大学○42-7●立教大学

    この日もスタメンは1年生QB13の林。リズム良く、自らのラン14回52ヤードとWR82小倉への3連続タッチダウンで試合を決める。ラン&パスのバランスも良く、RB33中野や5ウイリアムス・デレクアキラにボールを持たせて要所にダウンを更新。
    パス被インターセプト癖が今後の懸念。守っても、立教の3ダウンコンバージョンを25%に抑え、パントに追い込む。4Q終盤の立教RB21林の57ヤード独走タッチダウンを除けば、満足のいくゲームプランだったのではないか。
    一方の立教、日大のインターセプト2回&ファンブルリカバー1回のターンオーバーからの好機を活かせず攻めあぐねる。ボール所有時間はほぼ同じだが、攻撃
    つながらずゴールは遠い。日大はこれで開幕2連勝、立教は2連敗となり守備が課題となった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報部長 前川誠
  • 第1節  2017年9月3日(日)早稲田大学○31-13●日本体育大学

    はやくも横綱相撲の予感か早大

    立ち上がり、じっくりと相手を見据えたうえで動こうとしているのだろうか。
    それはともすれば受け身とも感じられがちで、スタンドを埋め尽くすアメフトファンがやきもきしてしまうのがよくわかった。
    今季の主将でエースQB1坂梨は言う。
    「かなりミスが多くて、ベストスタートどころか、しっかりと考え直なおさなければいけません。いまからやりなおしです」
    もちろん全日本大学選手権決勝(甲子園ボウル)に2年連続で出場した実力にふさわしい、大型でアグレッシブなDLと俊敏なLBによる鉄の守備は健在だ。
    この早大ディフェンスのキーマンを分析しながら、さらに抑えにかかることが、各チームの課題となり、それがおのおののレベルアップにつながっていく。
    早大と日体大とのゲームは、前半でほぼ勝負ありの様相に見られた。
    「なんのためのベストスタートだったのだろう。こういう状態で日本一になれるのか。とにかくプレイが雑すぎる。ほんとうにピリッとしない試合。私の指導力が、まだ足りません。ここまで拮抗しているこのリーグ、うかうかしていられないのです」(早大・高岡監督)
    一方、たぐいまれなるアスリート集団、しかもとことん鍛え上げられた身体を軸にパワフルに展開する日体大だったが、それも開幕戦のせいなのかいまひとつ破壊力に欠けた印象。
    バックヤードは3年目のQB11小林とRB10諸本によるコンビネーションを中心に、スピーディーなプレイを見せてはいたが、そこは早大守備に包囲されてしまうことしばしば。
    「初戦にかけていたものが大きくて、そういうショックとロスはありますが、攻撃も守備も攻めに攻め抜いていくスタイルを貫き通していきます」(日体大13R松本主将)
    第2Qにようやくエンジンがかかった早大QB1坂梨は、WR13遠藤とWR84鈴木に巧みに投げ分け2TDそして得点は21点、これで余裕をもってメンバーコントロールの時間へと入っていった。
    「ディフェンスは良いスタートができたのですが、オフェンスが消極的になりすぎたのかな。ともあれ上級生がしっかりと引っ張っていってくれますよ」(日体大・大山監督)
    王者は果たして絶対的強さの王者なのか、はたまたそれを脅かすのはどのチームなのであろうか、アミノバイタルフィールドは、さらにもまして熱気とその余韻に包まれていた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第1節  2017年9月3日(日)日本大学○20-17●中央大学

    日大スタミナ抜群

    この日曜日もさんさんと太陽が輝き、緑のフィールドを照らし続けた。
    これほどの良い気候だ、どうにもこうにも小麦色などの缶飲料がすすみ、おなかが空けばと、売店や屋台のご飯ものが飛ぶように売れていった。
    ホームスタンドはもちろん神々しいレッドに染まっていた。
    伝統あふれる強者日大、ここに参上!
    どこがどのように変わったのだろうか、いや、地に足がついている。
    個性派の中大にさらりと先制され、しかもFGを決められたが、なんら慌てることもなく。
    「去年の敗戦が悔しくて、夏から中大を倒すことだけを目標に練習してきました。それも、走り勝ちの練習に1万5千回くらいのプレイ反復、そういうタフなものがここで生きてきました。逆転勝利は、この先へおおきな励みになります」(日大DL57山崎主将)
    往年のショットガンスタイルは封印されたかのようにランパスアタックへ。RB5デレクの突進にRB33中野のカットラン、先発1年生のQB13林とQB14室井によるキープランが機能して、どん欲なまでにゲインを重ねていく。
    「よく、やった、選手たちは。全体的にみてもまだまだ伸びしろがある。インターセプトをされながらも本当に落ち着きがあった。守備は、山崎とブロンソンがよくまとめてくれて、キッカーの篠原もよい集中力だった」(日大・内田監督)
    勇躍、関東学生でトップクラスに位置するといわれるQB13松岡から、これもホットラインのWR29野田へ着実なミドルパスがヒット、17-14と3点差で中大がリード。
    また左右への集散が早い守備前列がその強烈なタックルで余計なゲインを許さない。そういう低く鋭くしかもスピードあふれるディフェンスが中大の真骨頂といえた。
    「我々の力は出し切りました。もともと混戦のリーグであると思っていて、チームの雰囲気もいい方向にあります」(中大・蓬田HC)
    このゲーム、華麗なまでのパッシングシーンはほとんど見られず、勝負を決めたのは左利きの日大K4篠原による2本のFGだった。
    ベンチエリアにおいて静かにFGネットに相対し、腰を入れての入念なキック練習は、低く伸びる弾道のまま、重く正確にその白い網目に突き刺さった。
    それでフィールド上では、なんと45ヤードのFGを2本決めて6点を獲得。
    その落ち着きあふれたK4篠原は抜群の存在感を誇っていた。
    「完敗です。未熟だから負けたのです」
    前を見据えた大柄な中大DL23佐藤主将は、それっきり口をつぐんでしまった。
    とはいえ選手の個性が生える中大、開幕戦を落としたが潜在的なパワーに満ちあふれている。これからの巻き返しは充分に可能だ。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第1節  2017年9月2日(土)慶應義塾大学●20(TB0)-20(TB7)○明治大学

    怒涛の勢い明大の紫紺魂

    風さわやかな快晴のアミノバイタルフィールド、夕刻にもなると一転、肌寒さを感じる。
    そこで往年の明大らしさ、幾度にもわたり実直なバックスのオープンランが見られた。
    「ぜんぶ良かったです。集散の激しさ、集まりで勝とうと言い続けました。それに慶大攻撃のノーハドルに対しても焦ることはないと!みんな、こんなにできたのです。先に向けて大きな自信になりました」(明大LB8氏家主将)
    その力感あふれるOLの強靭なブロックに守られながら、ぐいぐいと前進していった明大RB陣。それもケガから復帰をしたRB9福田、オープンの駆け上がりに才能を発揮するRB32小泉に、中央をも丹念に走るRB22加藤の組み合わせを基軸として、しかも4~5枚までにもなる分厚いバックスであった。
    とくにシンプルなまでの右スイープはOLとRBの距離感も抜群に、まるで機関車さながらの重厚なランアタックを見せてくれた。
    それだけ夏場の菅平高原合宿では、明けても暮れても繰り返しの反復練習が繰り広げられ、選手たちはボルテージが上がっていた。
    「目の前の試合、勝てばいいんです。オープンもそうですが、真ん中のラン攻撃が機能しました、それがうれしい。うちの持ち味はスピードランに加えて、しつこいブロックですから。そしてランを出して、その上でパスが生きてくる。そこなのです」(明大・岩崎監督)
    いまや部員総勢200名を超える巨大なチームになり得た慶大は、これも完成の域まできたノーハドルオフェンスからのパッシング攻撃で、明大ディフェンスを切り裂いていった。それも絶妙なタイミングパスが守備の切れ目にきれいに決まり、瞬時に前進を重ねていくのだから圧巻。
    「ひとえにタックルの甘さですね。あのランを出され続けられるともう、なんともしがたくなってしまう」(慶大LB52染矢主将)
    そのもの、ラン対パスの風合い濃い試合となった。
    最後にはタイブレイクに持ち込まれ、セオリーを度外視、先攻で果敢に攻めた明大RB福田が2ヤードの中央突破でTD。あと攻めの慶大は、スペースが見つからず、そこに強烈なQBラッシュを浴びて、エースQB2小田のパスに幾分の乱れが生じてしまった。
    「タイブレイクに持ち込まれた時点で攻め切れていないということです。なによりもベーシックにみて詰めの甘さが出てしまったように思います」(慶大・久保田監督)
    怒涛のラン攻撃で今シーズンのチームメイクと柱が完成した明大、その紫紺の応援旗が、バックフィールドでこれでもかといわんばかりに大きくはためいていた。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文
  • 第1節  2017年9月2日(土)法政大学○28-18●立教大学

    鮮やかオレンジ法大パワー

    朝からさみしい雨だった。
    それが昼前になると清らかな風の下、一気に晴れ間が広がった。
    応援スタンドはオレンジ色とパープルカラーに彩られ、満席となった。
    始まる、われらの関東学生アメフト秋リーグ戦。
    開幕は新たな装いに身を包んだ法大と、アメフトルーツ校のひとつ立大であった。
    この快晴の空にここまでよく似合うのかと、ヘルメットとユニフォームのオレンジがあざやかに。選手の顔がそれぞれ、うれしそうに輝いていた。
    春先からしっかりとコーディネイトされてきた法大は、鍛え抜かれた身体をベースにして、その持ち味といえるバランスアタックで、QB1馬島からWR80神へあっさりとパッシングTDの順調な滑り出し。
    「心のスイッチ全開のフルエンジンで試合に入ることを目的にしていましたが、少しばかり緊張があったかもしれません。まずは攻め切ることが大事です」(法大LB57小山主将)
    こうなると前半で早くもたたみかけに入る法大。続けざまにランで2TD、しかもQB馬島のキープランTDもあり、ますます勢いの波に乗るHオフェンスユニットだった。
    そこでゲームメイクを重んじる法大は、フレッシュなベンチメンバーをどんどんと投入、さらにシステマティックなフットボールを展開していった。
    「もうちょっと強いかなと思っていたのですが。まずは春からフィジカルとスキルを上げていくことに力を込めてきていました。この危なげない勝利で、選手たちはもっと上手くなっていきますよ。それが楽しみでなりません」(法大・安田監督)
    反撃をみせたい立大は、立教新座高時代から経験豊富な2年生QB3若狭が低くていねいなボールコントロールで進み、そこでエース格のWR10鈴木にTDパス!
    あるいはRB21林とRB2荒竹へのランアタックで切り崩しを試みたが、そのゆさぶりにもけっして慌てることのなかった法大オレンジだった。
    「タックルミスからのTDなど、自分たちのミスでやられてしまった印象です。それでも、あたりで勝つというのはぶれていません。それを徹底してやり遂げていきます」(立大OL56福島主将)
    いつも言葉を選びながら、ゆっくりと口を開いてくれる立大の中村監督が淡々と。
    「相手の動きを予測して、そこに私たちのベーシックなものをあてていく。それが基本なのです。今日は自滅なのでしょうか、決めるべきところで決められない勝負弱さに、歯がゆさを感じています」
    開始直後のファーストシリーズ、立大は勢いにあふれて押し込んでいったが、FGトライがノーグッドとなった。そこで先制して、着実に主導権を握っていきたかった。

    関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文