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2018年5月2日春季オープン戦レポート『スプリングシーズン熱気の春』
今春はいつにもまして気迫のゲームにあふれている関東学生アメフト。
学生日本一となった日大を追うTOP8各チームは、それぞれの特徴を生かしながら土台の組み立てに時間をかけていた。

4月22日(日)には注目の試合、日大の春オープニングゲームとなった日大-日体大が行なわれた。
前年、全日本大学選手権(甲子園ボウル)に勝利した日大。そのときに学生王座に貢献した1年生エースQB林をベンチにとどめ置き、QB14室井を先発させて終始、押し通して試合を進めていった。
そのリズミカルなプレイコールの右腕QB室井から快速なWR25林へのキャッチ&ロングランTDに、手堅いハンドオフをみてRB39宋の快活なランTDが要所にみられた。さらにはTE82佐藤などによる着実なレシーブなど、パッシングとランアタックのバランス良い攻撃で展開、最後にはノーハドルオフェンスで得点する余裕さえあった。

気合を入れた丸刈りで登場したのはQB18徳島主将や上級生ポジションリーダー数名、他にはスポーツ刈りなどの長髪で、昨年12月と比べるとそれはまた新鮮なベンチにみえた。
結果は日大42-19日体大。春オープニングゲームは日大、盤石の入りである。
この試合には出場せず、黙々と下働きをしていたQB林は背番号が10から11に変更となり、同僚チームスタッフと一緒になって用具を車に運び込むなど、下級生ながらの仕事をひたむきにこなし動いていた。

この春の日大は、ほぼ毎週連続でゲームが組まれている。
そのスターターQBのポジション争い、ヒットしてそこから走る重厚なラインメン、相手のタックルをものともせずに走るRBと、ピンポイントのパスを集中力にあふれてキャッチするWR、守備では左右に鋭くパシュートしてタックルするLBに高度な連携がなされるDBなど、これらにおいてひと夏を超えると、さらにスピードと精度が増してくるであろう。
秋、開幕には抜群の仕上がり、そしてリーグ終盤戦には最大のピークを持ってくる日大だ。その上での甲子園連覇となるストーリーが描かれる。

この春、活発に行われている東西交流戦では5月6日(日)の日大-関西学院大は好勝負の予感にあふれている。その後に王者日大は久方ぶりとなる20日(日)の日大-法大が控え、オレンジ法大はそれで今季の指針が見えてきそうだ。

毎春恒例の大一番、4月29日(日)には駒沢陸上競技場で伝統の早慶戦が開催された。
早大は3年生となった左腕QB1柴崎からWR6ブレナンと大型TEらを巧みに使ったクロスパターンのパスと、重みあるRB30片岡の突進を軸に37-7で快勝。

さらなる上位を目指す中大は20-16と関大に勝利、秋は着実に浮上してくるであろう明大は、敗れはしたが10-25と強者関西学院大にフルアタックをかけた。またノーハドル攻撃でリードする慶大は24-21と同志社大に競り勝ちをみせた。
春早々に仕上がりの良い日体大はもともと保持する個々のアスリート力の高さに、さらに鍛錬のパワーアップがみられることになれば、その厚みある攻守で上昇が可能。
早慶戦に勝利した早大は5月20日 (日)には関東学生アメフトの本拠地、アミノバイタルフィールド(東京都調布市)において早大-立命館大が待ち受ける。そのまま、次の試合で日大-法大が組まれている。このあたりが春季の佳境となってきそうだ。

またバックヤードに目を転ずれば、日大の力量あふれるチームスタッフ、日体大スタッフのきびきびとした動き、加えて華やかで強さがある名門の日体大ボルテックスのチアも見るからに元気いっぱい、ハーフタイムにはその演舞が披露された。

各大学の戦力を自分なりに分析予想して、そこで春から秋への有力選手や各チームの成長を見逃すなかれ。
そのように現状、ひいきするチームが夏合宿を終えてどのように強くなっていくのかを追いかけて応援していくのも、学生アメフトファンの楽しみのひとつである。

春のアミノバイタルフィールド、その観戦スタンドでは、ももちゃん亭やキッチンシーワイズなどの美味しい食事と飲み過ぎない程度のビールやドリンクでおおらかに声援していきたい。
ともあれ秋本番への小手調べ、関東学生1部TOP&BIGリーグの熱い闘いに注目だ。

関東学生アメリカンフットボール連盟広報委員長 岩瀬孝文