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2023年10月27日早稲田大学-立教大学の試合終了間際の事態について
一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟は、去る10月15日(日)に東京都調布市のアミノバイタルフィールドで行われた1部リーグTOP8第4節、早稲田大学-立教大学の試合終了間際の事態とその後の対応について、以下の通り説明いたします。まずはこれにより両チームの選手、学生スタッフ、チーム関係者の皆さま、そして会場で観戦されていた方々や配信を視聴されていた方々ら多くの皆さまに混乱を招き、ご迷惑をお掛けしたことを、試合の主催者として心からお詫び申し上げます。
なお、この試合の取り扱いについては10月25日(水)に開いた臨時理事会で協議し、立教大学の勝利という結果を変更しないことを決議しました。

■同試合の終了間際の事態
第4クオーター残り15秒から、6点を追う立教大学はパスを成功させてダウンを更新。その際にプレーはインバウンズで終了したと判定され、レフリーのレディーフォープレーのシグナルで残り8秒から計時が再開しました。それにもかかわらず、立教大学がプレーを開始しないでいたところ、試合終了となる直前でレフリーが時計を止めました。レフリーは場内に、「本来は計時が回り続ける状況だが、時計を止めたため、残り1秒から試合を再開する」と説明。両チームのベンチにも説明した上で、残り1秒から試合を再開すると、立教大学がタッチダウンパスを決め、トライのキックも成功させて21-20と逆転し、勝利しました。

■関東審判部への確認
当連盟では、試合が終了したとはいえ、審判クルーが適切に判断して動いていれば早稲田大学の勝利で終わっていたはずだったことに鑑み、当連盟が審判業務を委託している日本アメリカンフットボール審判協会関東審判部に対して事実関係の調査と報告を求めました。関東審判部からは10月19日(木)に報告書が提出され、その内容(抜粋)は以下の通りです。

この度、2023年10月15日(日)アミノバイタルフィールドの第2試合、早稲田大学対立教大学の試合において、試合終了間際に誤ってレフリー タイムアウトを課してしまう事態が発生しました。
この状況は、第4節の残り時間8秒で立教大学がフォワード パス成功により新たなシリーズを獲得し、そのボール デッドがインバウンズであったことから、公式規則3-3-2-e-1の規定に従い、一旦ゲーム クロックを停止させ、レフリーのシグナルで計時を再開する場面でした。
ボール デッドを判定したライン ジャッジ、ボールをサクシーディング スポットへセットしたアンパイヤ、および計時再開のシグナルを出したレフリーの3名は、これらの状況を正しく理解し、伝え、そのオフィシエイティングに誤りはありませんでした。
ところが、当該状況を理解していなかった1名の審判員が、アウト オブ バウンズでのボール デッド判定と勘違いし、計時の再開は誤操作であると判断したため誤ってレフリー タイムアウトを課した、というのが事実関係となります。
その後、レフリーは審判員で協議のうえ、1名の審判員が計時停止の際に目視した残り時間が1秒であった、との申告を基に「残り時間1秒からレフリーのシグナルで試合を再開する」という判断をしました。このことは公式規則3-3-2-e-12の規定に沿った正しい適用です。
しかしながら、審判員の誤ったオペレーションにより停止させる必要のない計時を停止させ、本来であれば終了していたはずの試合を終了させず、プレー可能な状況を作り出してしまったこと、結果として勝敗が入れ替わるという甚大な影響の要因となったことは事実と考えます。


■当連盟のその後の対応
当連盟はこれを受け、10月23日(月)に関東審判部と会議を開き、報告書の内容について詳細に確認しました。審判の一人が誤ってタイムアウトを課したことは、「確認のためだが、あのタイミングで時計を止めるべきではなかった。周囲に確認するなど、審判同士でコミュニケーションをするべきだった」との説明だったほか、「インバウンズであることを立教大学にきちんと伝えた上でレディーフォープレーのシグナルを出すべきだった」との反省もありました。
そして、当連盟は10月25日(水)に臨時理事会を開いてこの試合の扱いについて協議。立教大学の勝利という結果を変更しないことを決議し、再発防止に向けて関東審判部に対して要望書を出すことを決定しました。早稲田大学と立教大学の指導者には、同日中に理事長の廣田が謝罪し、説明を行いました。
アメリカンフットボールの試合を行うにあたって、審判は不可欠な存在であり、当連盟では審判の判定や判断を最大限尊重しますが、人間が行っている以上、ミスを完全になくすことはできないと考えます。しかし、今回のような事態を二度と繰り返すことのないよう、関東審判部に提出する要望書では、審判員のさらなる技能向上や質の向上、試合中における審判同士の密なコミュニケーションやミスが発生した場合の対処方法の改善などを強く求める予定です。